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症例7 2007.7.4. 診断と解説

診断: マイラゲルの変質、膨化

画像所見:

T2強調像において、両側眼窩内筋円錐外に、眼球を取り巻くように境界明瞭かつ均一な高信号域を認める(図1,2)。 T1強調像では低信号を呈している(図3,4)。眼球は軽度の圧排はあるが、眼球内および外眼筋への浸潤は認められない。

解説:

マイラゲルとは
 マイラゲルは、網膜剥離術に対する強膜バックル材料としてRefojoらにより1980年代初期に開発されたhydrogelである。Hydrogelはmetyl acrylateとdihydroxyethyl acrylateの重合体で、異物反応がほとんどなく化学的に安定しているとされている。シリコンスポンジよりも感染の危険が少なく強膜びらんも少ないとされているが、数年前に販売が停止された。

マイラゲルの術後長期合併症
 強膜バックリング手術後の長期合併症としてextrusion(バックルが結膜下に突出ないし結膜を破って露出する)がある。結膜を破った場合は炎症を伴うことが多い。眼球運動制限の原因ともなる。マイラゲルに変質が生じると症状は著しく、バックルの色調は白色からクリーム状に変化してもろくなり除去も容易ではない。
 変質は、ポリマーの化学的変化で、加水分解による構築の変化が原因とされている。
 今回の症例では、MRI T2強調画像において、多量に水分を含み膨化したマイラゲルを明瞭に描出し得た。
 マイラゲルには反応性の線維性被包化がバリアとして機能するため全てが長期経過後に膨化する訳ではないが、経過観察中に眼球運動制限や腫瘤触知がみられる場合は、マイラゲルの変質、膨化を疑い、MRIを施行するべきであると思われる。

参考文献:

  1. Manuela RP. Long-term complications of silicone and hydrogel explants in retinal reattachment surgery. Arch Ophthalmol 1999; 117: 197-201
  2. 樋田哲夫. マイラゲルを用いた強膜バックリング術後長期の合併症について. 日眼会誌. 2003. 107: 71-75
 荻 成行  

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